北極圏のグレートゲームと中国の北進

北極圏のグレートゲームと中国の北進

2023年9月27日
1.欧州北方で高まるランドパワーの脅威

 ロシアのウクライナ侵略からやがて2年を迎えようとするが、現状では停戦が実現する可能性は乏しい。ロシアのプーチン大統領はこの戦争を「国家の存続をかけた戦いだ」と述べ、侵攻を継続する姿勢を崩していない。戦争の長期化に伴い、モルドバやベラルーシ等ウクライナ周辺諸国にも戦火が拡大する恐れが強まっているが、フィンランドやバルト三国など北欧でも対露脅威は日増しに強まっている。中立を保ってきたフィンランドやスウェーデンがNATO加盟に動いたのも、そうした国際環境の厳しさを物語るものである。
 もっとも、北欧でロシアの脅威が高まっているのはウクライナ戦争の影響だけではない。近年ロシアが北極圏に勢力を伸ばそうと活発な動きを見せていることも関係しているのだ。北極圏とは、北緯66度33分以北の地域を指し、その大部分を北極海が占めている。北極圏には、ロシア、米国、カナダ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンおよびアイスランドの8か国が所在するが、政治、経済、軍事の各分野で最も強く北極圏にコミットしているのがロシアだ。覇権主義的な行動を強める中国も虎視眈々と北極圏進出の機会を伺っている。ユーラシアランドパワーは、南シナ海や太平洋島嶼部等南方だけでなく北に向けても膨張しているのだ。

2.北極圏支配に動くロシア

 プーチン政権誕生の直後から、ロシアは北極圏進出に乗り出した。理由は幾つかある。まず地球温暖化の影響で北極の海氷が小さくなり海が開け、東アジアと欧州を結ぶ北極海航路の利用可能性が高まったことが挙げられる。地球温暖化の影響を受けて、北極の海氷面積は過去35年間で約3分の2に縮小したからだ。北極海航路には、ロシア沿岸を通る北方航路と米アラスカやカナダ沿岸を通る北西航路の2ルートあるが、カナダ沿岸は複雑に入り組んだ群島海域のため北西航路の利用は限られ、北方航路の商業利用が中心となっている。
 北方航路は、マラッカ海峡やスエズ運河を通り、地中海へと抜ける従来の南回り航路と比べ、約8千キロ短くなる。航行日数は10日程度短縮出来て、物流コストの3〜4割削減が可能になるほか、海賊に襲われるリスクも非常に小さい。
 北極海は閉鎖海のため沿岸国の海域を通過しなければならない。広大な国土の北側全てが北極海に面しているロシアは北方航路の大部分を扼しており、同航路を利用するにはロシア政府の許可をとる必要があり、アジアと欧州の交易ルートを掌握できるのだ。
 また北極海には石油、天然ガスやレアメタルなど鉱物資源が豊富に存在している。なかでも世界の未発見天然ガスの 30%、石油の 13%が北極圏に存在、しかもその大部分がロシアの管轄領内の浅海域に集中していると見られている。雪解けで北極海へのアクセスが容易となり、掘削技術を持てば、沿岸諸国で最大の排他的経済水域(EEZ)を有するロシアはこの地域に眠る手付かずの資源をほぼ独占できる。既にロシアはヤマル半島などで液化天然ガス開発に乗り出している。
 プーチン政権は 「国家安全保障戦略」などで北極圏での資源開発や航路利用の権益を確保していく方針を明らかにしており、今後も国の総力を挙げて北極海航路開発と鉱物資源の探査・掘削に取り組んでいくであろう。
 しかも、ロシアと米国は北極海を挟んで対峙する位置関係にある。自国の権益確保や領域防衛目的に加え、こうした地政的環境を踏まえ、ロシアは北極圏を戦略的重要地域と位置付け、米国に対する軍事戦略的優位の確保を目的に、基地建設や原潜配備など軍事化を進めている。氷解に伴い、米軍の北極海へのアクセスが高まることへの警戒心もある。
 具体的な動きを見ると、2005年以降ロシアは北極海に面したソ連時代の軍事基地数十カ所の運用を再開したほか、07年には92年以降中止していた長距離爆撃機による北極圏での哨戒飛行や弾道ミサイル搭載原子力潜水艦によるパトロールを再開させた。2011年にはコラ半島に北極旅団を創設、12年には北極圏の防衛を担う北洋艦隊所属のミサイル巡洋艦が、ロシアの水上艦艇として初めて北極圏のラプテフ海に展開した。
 2013年にも北洋艦隊の艦艇群が北極海東部に進出。14年には北洋艦隊を基軸とする北極統合戦略指令部を設立し、2021年には北洋艦隊を軍管区級に格上げしている。さらに北極圏で13か所の飛行場建設計画を進めるとともに、レーダー網や対空・対艦ミサイルの配備にも取り組むなど急速な軍備強化を行っている。

3.北極圏を巡る米露の角逐

 ロシアによる北極圏支配の動きに米国も無関心でいたわけではない。オバマ政権は2013 年に「北極地域国家戦略」を発表し、米国が北極圏で「責任ある管理者 の立場」を取る方針を示した。続くトランプ政権では、トランプ大統領自らデンマーク領グリーンランドの買収を検討した。地下に眠る鉱物資源や北極海航路の開発が進めやすくなること、それに中露の北極圏進出を牽制する狙いがあったとみられる。2019年には国防省が「北極戦略」を発表し、ロシアや中国の北極圏進出に警戒感を表明している。
 米軍の動きを見ると、2018年には27年ぶりに空母が北極圏に進出したほか、2020年 には米英の艦船が冷戦終結後初めてバレンツ 海で活動。さらに2021月にはB-1爆撃機を北極圏内に初着陸させている。その後、ウクライナ戦争勃発に伴い米露関係が悪化するなか、バイデン政権は昨年10月「北極圏国家戦略」を発表した。北極圏でのロシアや中国との戦略的競争が激化しているとの認識を示すとともに、今後10年間の方針として、北極圏の気候変動対策や持続可能な経済発展への取り組みと併せ中露との競争を念頭に抑止力や関係国との協力強化の姿勢を鮮明にした。
 もっとも、軍事基地の設置や兵力配備で米国や北大西洋条約機構(NATO)はロシアに後れを取っているのが実情だ。国際戦略研究所(IISS)とロイターが纏めたデータによれば、北極圏のロシア軍基地は数の上でNATOを約3割上回っている。米国は北極圏に大きな港がなく、軍事基地はグリーンランドのチューレに設けた空軍基地のみで、完全にロシアに出遅れている。軍事プレゼンスという点で、西側諸国はロシアに後れを取っている。
 攻撃型原子力潜水艦もNATO加盟国のカナダ、デンマーク、米国、ノルウェーが32隻有するのに対し、ロシアは一国だけで57隻保有している。またロシアはSLBM発射可能な弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を11隻保有するが、うち8隻は北極圏に位置するコラ半島を母港としている。
 ロシアの北極圏での軍備強化の動きはウクライナ戦争勃発後も変わることがなく、22年7月、プーチン大統領は、「あらゆる手段を使って」北極海の水域を保護することをうたった新たな海軍戦略を打ち出した。北欧諸国との国境線でも兵力の増強に出ており、NATO諸国との軍事的緊張が高まっている。
 そうした状況の中でフィンランドとスウェーデンがNATO加盟に動いたほか、今年3月には英海軍がロシアと国境を接するノルウェー北部トロムセ近郊にあるノルウェー軍基地の隣に新たな基地キャンプ・バイキングを開設した。千人規模の部隊が駐留、極寒でのロシアとの戦闘を念頭に、NATO北翼の抑止力向上を図るものだ。
 米露を含む北極圏8カ国は「北極評議会」を設置し、北極圏の気候変動や海洋環境保護などの協力の在り方について話し合っている。しかしウクライナ戦争の勃発に伴い、ロシアと他の加盟国が対立し、会合のボイコットが続いている(1)
 かようにウクライナ戦争と並行して、北極圏ではロシアと米国など他の周辺諸国の間で経済利権や軍事的優位の確保を巡り激しいパワーゲームが展開されている。一方、北極圏に対する日本の関心は総じて低く、安全保障や戦略的な観点からこの地域を捉え、国としての体系的な北極政策を打ち出す動きも見えない。昨年 12 月に決定された「国家安全保障戦略」など安保関連3文書にも、北極圏及び北極海の文字は出てこない(2)。ところが、我が国と同様域内国ではないが、北極圏の価値に着目し、この地域のパワーゲームに参入し始めた国がある。中国である。

4.氷上シルクロード構想:北極圏進出をめざす中国

 中国の習近平政権は、2013年から一帯一路と呼ぶ巨大な経済圏構想を推進している。中国を起点に中央アジアから欧州までを陸路で結ぶ「シルクロード経済ベルト」と、中国沿海からインド洋を経てアラビア半島までを結ぶ海上交通路「21世紀の海上シルクロード」の二つのルートを柱に、その線上に所在する諸国のインフラ整備や経済開発を主導することで経済・開発権益の獲得や中国の政治軍事的影響力拡大を狙うビッグプロジェクトである。
 これまで中国は「真珠の首飾り」構想を掲げ、パキスタンやスリランカとの経済的戦略的な関係を強化し、南アジア〜インド洋地域への進出を活発化させてきた。一帯一路はそれをユーラシア規模に拡大させたものと言える。しかもアジア、ユーラシアにとどまらず、一帯一路の名の下に中国はアフリカや中南米、南太平洋諸国にも積極的な外交を展開し、自らの存在感を高めている。


 さらに中国は2018年に「中国の北極政策」と題する白書を発表し、北極海航路の開発を通じて「氷上のシルクロード」建設を進める方針を打ち出した。既に中国は2004年にノルウェーのスバールバル諸島に初の北極観測基地・黄河基地を開設し、極地科学調査船雪龍を北極海に周航させるなどの海洋科学調査に乗り出しているが、「氷上のシルクロード」構想発表後は、北極に関する国際ルール制定への参画に意欲を示すとともに開発事業にも積極的に乗り出し、地下資源の獲得に動き始めている。
 例えばグリーンランドに20億ドル以上を投資、空港拡張工事やインフラ整備に中国人労働者を送り込み、鉱物の採掘にも取り組んでいる。またアイスランドのレイキャビクに大使館を設置し、その港湾施設を北極海運のハブ港として利用する動きを見せている。北欧5カ国と共同の研究機関「中国・北欧北極研究センター」を立ち上げるほか、北極開発のための中露協力や対露投資も活発化している。今年3月習近平国家主席が訪露した際、北極海航路開発の共同作業組織の設置が決まり、4月には北極海の沿岸警備の協力強化でも中露は合意、夏には両国艦艇11隻が米国アラスカ州のアリューシャン列島付近の海域で大規模な哨戒活動を行うなど中国は北極圏に戦略的に関与し、経済利権と政治的影響力の拡大を狙っている。
 これまでロシアとの協力連携を対外政策の柱としていた中国だが、ウクライナ戦争でロシアが国力を消耗し国際的影響力を後退させるなか、中国は中央アジアや中東などでロシアに代わり自らの存在感を高めており、一方のロシアは国際決済や貿易で中国に取り込まれつつある。ロシアに対する中国の優位がさらに進めば、今後ロシアを抑え込むような形で域外国の中国がシベリアや北極圏進出に乗り出す可能性も否定できない。

5.清が失った領土奪還とサハ共和国への進出

 「中華帝国の偉大な復興」をスローガンに掲げる習近平政権は、清朝当時の領土回復を目指し、南シナ海や台湾、東シナ海での進出膨張を強めているが、かつて西方進出を図るロシアに清朝は北東部の領土を奪われた屈辱の歴史を持っている。
 17世紀後半、領域を拡大する清と東方経営を進めるロシアが衝突した。そのため1689年にネルチンスク条約が結ばれ、両国の境をスタノヴォイ山脈(外興安嶺)とアルグン川の線と定め国境が画定された。これにより清は中国東北地方全域を確保し、ロシアの南下阻止に成功した。1727年にはキャフタ条約を結び、両国のモンゴル方面の国境も確定された。
 しかしその後、清は西欧列強に圧迫され徐々に勢力を後退させる。衰退著しい清とは対照的に、19世紀後半ロシアは再び東方進出を活発化させる。そして清が太平天国やアロー戦争に苦しむのに乗じて愛群条約(1858年)を結び、それまでのネルチンスク条約を修正させ、アルグン川と黒竜江を新たな両国の国境と定め、同江以北の地を清から獲得したほか、ウスリー江以東の沿海州(外満州)を清露の共同管理とした。さらにロシアはアロー戦争に仲介し、講和条約を成立させた見返りとして(露清)北京条約を結び(1860年)、清からウスリー江以東の沿海州を獲得、同地に不凍港のウラジオストク港を建設し、極東・太平洋方面進出の拠点となしたのである。
 その後1世紀半の歳月を経て、再び中露の力関係は逆転した。いまや中国のロシアに対する優位は顕著になっている。例えばロシアの国内総生産(GDP)は1.7兆ドルだが、中国は17兆ドルで約10倍の差がある。ウクライナ戦争が始まった2022年には、ロシアの輸出の30%、輸入の40%を中国が占め、しかもロシアは西側の経済制裁下にあるためこの貿易の大きな割合が中国元で決済されている。人口規模でもロシアの1.4億人に対し中国が14億人と大きな差がついている。ロシアに対する経済的な浸透や影響力の拡大に留まらず、今後、中国が領土を含む政治的な譲歩をロシアに求めることも考えられる。
 戦略的パートナーシップの関係にある両国の間では、01年に善隣友好協力条約が結ばれ、04年には国境問題もひとまず画定された。だが力を付けた中国がシベリアや北極圏への進出にあたり、清朝当時の屈辱を晴らすべくロシアに再交渉を迫り、黒竜江沿海州地域を取り戻そうとする可能性がある。その前兆ともいえる動きが既に出始めている。
 中国自然資源省は23年2月、北京条約で割譲を強いられロシア領になった中露国境地域の8つの地名を、ロシア語から中国式に呼び変えるよう指示を出し、またロシア語表記だけでなく中国語の名称も地図上に併記するよう義務付けたのだ。ウクライナの英字紙「キーウ・ポスト」は、ロシア支援と言いながら中国は背後からロシアを突き刺そうとしているのではと、この措置を報じている。
 さらに本年8月に中国自然資源省が発表した公式地図では、ウスリー川とアムール川の合流地点にあるボリショイ・ウスリスキー島(黒瞎子:ヘイシャーズ島)の全体が中国領とされている。ここは中ソの係争地で、2004年の分割合意協定で東半分を露領土、西半分が中国領とされている。この合意を無視した中国側の姿勢に対しロシア政府は、ウクライナ戦争で対中依存を強めているためか沈黙を守っている。ロシアの野党政治家ガルリ・カスパロフは、中国は清朝末期ロシアに割譲した極東部などロシア領土への主張をさらに強めるだろうと語っている。互いの利害だけで繋がっているのが中露関係であり、ロシアの勢力後退に乗じて今後中国がどのような動きに出るか注視する必要がある。
 そして中国が取り戻したいと考える領土の北には、ロシア連邦の一つサハ共和国が控えている。インドより少し小さく、国土の4割は北極圏に属す。サハ共和国は石油、天然ガス、石炭、金、銀、ダイヤモンドなど非常に多様かつ豊富な地下資源に恵まれている。特にダイヤモンドは、ロシアで産出される99%をサハ共和国が占めている。北極圏進出を目論む中国にサハ共和国が取り込まれる危険性もある。
 ロシア人の人口減少が急速に進む一方、大量の中国人労働者が職を求め人口が希薄で経済が崩壊状態にあるシベリアや極東などロシア領内への進出を重ね、それがロシアに強い警戒心を呼び起こしているのは公知の事実だ。ロシアに国境変更を迫らずとも、近い将来、中露の境界を越えてさらに多くの中国人労働者がシベリアや北極圏に入り込み、また中国資本によってそれら地域の経済が飲み込まれてしまう事態は十分に考えられる。

6.高まる北方の脅威と迫られる二正面対応・必要な国際ルール作り

 ロシアのウクライナ侵略を受け、日本政府は対露経済制裁措置を発動した。これに対しプーチン政権は対日報復を警告、ロシア海軍艦艇の日本周辺海域での行動は活発化し、北方領土での軍事演習やミサイルの発射訓練など威嚇行動を強めている。また親プーチン系の野党「公正ロシア」の党首は、ロシアによる北海道領有さえ主張する状況にある。
 かように日本の北方ではロシアの脅威が急速に高まっているが、今後中国がシベリアや北極圏への進出を強めた場合、中国商船の北方海域や日本海、さらに3海峡(宗谷、津軽、対馬)での航行量は飛躍的に増加し、船舶保護やシーレーン確保を名目に中国軍艦艇の進出も恒常化しよう(3)。そうなれば日本は東シナ海や台湾という南方シフトだけではなく、同時に北方においても、ロシアに加え北進志向を強める中国の脅威に備える必要が強まってくる。
 そもそも北極には南極条約のように平和利用などを定めた規範がない。そのためわが国の安全保障に留まらず、北極圏資源の囲い込みや軍事的緊張を防ぐための国際ルールを早急に定める必要がある。日本政府はG7などでの議論を主導し、こうした国際ルール作りにも関与すべきである。

(2023年9月25日、平和政策研究所上級研究員西川佳秀)

【参考文献】

石原敬浩『北極海 世界争奪戦が始まった』(PHP研究所、2023年)
益尾知佐子『中国の行動原理』(中央公論新社、2019年)
『令和4年版防衛白書』(防衛省、令和4年)
『令和5年版防衛白書』(防衛省、令和5年)
『北極海問題とは何か』『国際問題』2013年11月号
National Strategy For The Arctic Region,THE WHITE HOUSE, May 10, 2013

【注釈】

(1) 北極における持続可能な開発や環境保護など共通の課題の協力促進を目的とする北極評議会(AC:Arctic Council)は、北極圏に国土を持つ8か国及び常時参加者(6先住民団体)から成る。AC会合 には,オブザーバーとして日本や中国も出席。2年に一度,8北極圏国の外務大臣の出席の下,閣僚会合が開催され,これまで「閣僚宣言」が採択されてきたがその機能は限定的だ。

(2)G7広島サミットの「科学技術大臣コミュニケ」では、初めて「極域」の語が用いられ、「北極及び南極の両極域が気候変動によって顕著な影響を受けて」おり、「極域研究(が)・・気候問題に対処する上で、ますます重要な役割を果たして」おり、「G7は、極域研究分野における国際協力を支持する」とうたわれた。

(3)防衛省が2022年に発表した「気候変動対処戦略」は、「北極海資源をめぐる大国間・関係国係争による不安定化や中国による日本海を経由した北極海への進出、同航路の重要航路化等、今後、我が国の安全保障へも影響が及ぶことが懸念される」と指摘している。『気候変動対処戦略』(防衛省、2022年)7頁。

国際情勢マンスリーレポート
近年、ロシアは北極圏に勢力を伸ばそうと活発な動きを見せている。さらに中国もシベリアや北極圏への進出を図ることになると、日本にとっての北方の脅威は喫緊の課題となってくる。

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