子供の福祉を守ることを前提としている現在の婚姻制度を堅持する

婚姻制度は本来、男女のカップルに子供が生まれることを想定し、家族の存在によって子供の福祉を守ることを前提としている。それゆえ、基本的には一夫一婦制や貞操義務が夫婦として当然の前提とされ、そのことが子供たちの健全な発育を助け、そこに婚姻制度の意義があると考えられてきた。子供が生まれないカップルもいるが、婚姻の定義は一律でなければ成り立たないので、制度としての婚姻は子供が誕生することを想定して、民法などで様々な権利を付与している。婚姻制度は婚姻当事者のみの権利を守る制度というよりは、子供を保護し、社会の秩序を確保する最適な方法となっている。

例えば現在、同性婚を求める訴訟が全国数カ所で起きているが、同性婚を認めるか否かという議論の本質は、婚姻制度をどう定義するかにある。もっぱら当事者の権利と自由の問題と見るか、子供の福祉・家族の保護の問題と見るかの問題とも言える。同性婚を望む人々への法的な待遇をどうするかという課題は存在するが、婚姻制度とは別に検討すべきである。同性婚を法的に認めるか否かは、単に個人の嗜好や個人の自由権の範囲に留まらず、子供を含めた法的な家族制度全般に影響する問題である。

子供の健全な成長にとって欠くことのできない家族の保護という視点に立ち、子供を第一に考える婚姻制度を今後も堅持することが妥当である。