SDGs教育と道徳教育を連結し、「持続可能な社会の創り手」を育成する

「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)には、持続可能な社会のための価値観の育成と、それを実践する能力の育成が含まれる。現在、学校教育現場において、ESDによるSDGs教育に関する単元は社会科や総合的な学習の時間に教育実践が行われているほか、家庭科、英語科、国語科や美術科などの授業でも取り上げている実践報告もある。しかし、道徳科におけるSDGsの扱いは明確ではない。

道徳科とSDGsとの直接的な関連性については、新学習指導要領や解説には明記されてはいないが、指導上配慮すべき事項として、社会の持続可能な発展を現代的な課題として積極的に取り上げることが求められている。道徳科でのSDGs教育の狙いは、事実や知識の習得ではなく道徳心・価値観の育成となる。すでに実施されている社会科などでのSDGs教育や総合的な学習などでの実践教育と、道徳科でのSDGs教育が連結されることで、道徳性と知識や能力を兼ね備え、それらを実践につなげることのできる「持続可能な社会の創り手」の育成が期待される。