学校教育に「ライフデザイン教育」「親準備教育」を組み込む

日本では妊娠や出産に関する正しい知識を伝える教育が遅れている。さらに、核家族化や少子化、地縁の希薄化により、親としての資質を育む土台となる原体験を積み重ねられなくなっている。公教育で結婚や出産、子育ての意義を伝えることで、次世代につながる社会づくりに国民が共通して取り組めるようにすべきである。

例えば、家庭科や道徳には、結婚や家庭、子育ての意味を教えることが可能な内容がある。また、既に学校で行われているキャリア教育の一環として、職業選択にとどまらず「人生設計(ライフデザイン)」という観点で取り組むこともできる。

小中学校で実施される家庭科には親準備教育の土台が備わっている。小中学校の学習指導要領(平成29年3月改訂)の「家庭」項目には、家族との関わりについて学ぶことが記されている。したがって、家庭科教育の一環として、「親準備教育」を組み込むことは不自然ではない。

子供たちが義務教育で親準備教育を受けることで、「親になる準備をしないまま親になる人」は原則的にいない状況となる。将来自分の子供を持っても持たなくても、地域の子供を育てられる人となり、子育てを支え合う社会をつくることに繋がる。