日本では離婚や虐待、子供の心理的問題が増加し、家族関係への支援が急務になりつつある。1970年代に同様の課題を抱えていた米国が導入した家族療法は、日本の家族にとっても有効な支援となりうる。
厚労省は2016年頃から「地域共生社会」というキーワードを発信している。この「地域共生社会」という施策は、「公的支援を『縦割り』から『丸ごと』へ」転換し、その一環として「個人や世帯が抱える複合的課題などへの包括的支援」を提供することを謳っている(厚生労働省「地域共生社会の実現に向けて(当面の改革工程)」)。また、自治体などにすべての人への支援を「丸ごと」一カ所で受け付けるワンストップ窓口を設置することも盛り込まれている。こうした横断的かつ機動的な窓口に家族の心理支援チーム(専門家1名とサポート人員1~2名)を設置することで、リスクの高い家族から低い家族まで、様々なタイプの家族を支援できるように地域社会で連携していくことが重要である。
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