若手研究者の斬新な発想を活かすため大学の「講座制」を緩和する

日本では理系分野を中心に、大学教育において「講座制」というシステムがとられている。講座制のもとでは、教授を頂点に准教授、講師、助手、その他に技術員という、一種のヒエラルキーが出来上がっている。学生はその中に入って、研究を積み上げていく。

講座制には学問研究においてチームワークを作り出す意義があると言われる。一方で、それが厳格に適用された場合の課題が指摘されている。そこに属する人々は、トップにいる教授の考えを継続しなければならず、新しいアイデアが生まれにくくなるという。講座制に入ると独立は50歳前後になる。その段階で新しいアイデアを創出するのは容易ではない。ヨーロッパでは弊害が大きいとして50年以前に廃止されている。

こういった状況を転換するために、具体的には、講座外の全く新しい研究者が活躍できる独立した助教ポジションを設ける。米国では、博士課程修了後2〜3年間研究員として過ごした若者が、独立した助教のようなポジションに直接応募する制度がある。そのような制度があると、斬新なことを考えつく研究者を育める可能性が高まるだろう。