留学生受け入れのため、入学定員を大学が自律的に管理できるようにする

日本では、文科省によって大学の収容定員が厳格に管理されている。定員管理の厳格化は、高度外国人材を育成する上で二つの弊害を招いている。

第一に、定員確保において留学生より日本人学生が優先されるのが普通であり、日本人だけで定員が埋まる上位大学では、留学生を受け入れる余地が狭くなる。定員管理の厳格化に触れることなく留学生受け入れを拡大しようとすれば、研究生、科目等履修生、交換留学生などの非正規学生を増やすしかなくなる。非正規学生は収容定員の枠外であるため、学生数に応じた教員数や施設整備の定めがない。そのため、営利を優先して不適切な入学選考・在籍管理が行われることがある。

第二に、卒業生の学業達成を保証できない。定員管理が厳しいと、留年者が増えれば次年度の入学者を減らさねばならない。そのため、厳しい進級・卒業要件を設けることができず、卒業生の学業達成を保証できない。これら二つの弊害を解消し、留学生の勉学機会を増やすために、大学自身が定員管理を行うようにするべきである。大学が自律的かつ責任を持って入学定員を設定し、管理できるような仕組みが求められる。