実践を重視する道徳教育を行う

従来の道徳教育は、教科として知的に理解し、養うべき道徳性は内面的資質にとどまる傾向にあった。また道徳の教科書は、道徳的物語を題材にする傾向があり、主人公の心情を理解させるだけの「物語道徳」になりがちであった。

学習指導要領には、学校における道徳教育は「特別の教科である道徳」の時間を要として、学校の教育活動全体を通じて行うものと明示されている。本来の道徳教育は、理解と実践の往還にある。道徳を知的に理解したら、それを実践で具体的に経験し、その経験を多様な視点で振り返り、他でも応用できるように概念化し、また新しい場面でその得た知見を試すというプロセスを組み込む必要がある。

また、今後は家庭や地域社会との連携・協力をより強く視野に入れて考えることが不可避である。家庭・地域との連携も踏まえ、道徳教育を、実践を含むものへと改善していく必要がある。