道徳の学習指導要領に記載される道徳的価値を体系化する

道徳の指導内容は、「自分自身に関すること」「社会に関すること」「自然や超越的なものに関すること」「他者との関係」という四つの視点に分けられている。その中身は、誰もが良いと思う項目を平面的に羅列しており、道徳的価値の序列が体系化されていない。学習指導要領に記載されている道徳的価値の数は、数え方によっては40〜50個にのぼる。これは週1時間、年間35時間で充足するには多すぎる。したがって、平面的に羅列されている道徳的価値の中から特に重要な価値を抽出し、体系化を図る必要がある。同時に、日本人にとって伝統的に重要な価値とは何かについても議論し、日本人として大切にしてきた道徳的価値を道徳教育の内容として組み込んでいくことを、今後の研究対象として考えていく必要がある。