アフリカの安全保障のための地域機構を支援する

アフリカの安全保障における日本の存在感は高いとはいえない。アフリカには世界の国の約3割に当たる53ヵ国があり、国連総会や国際機関の要職の選挙などにおける意思決定に際して非常に重要な地域である。また、資源が豊富な地域であり、潜在的な市場としての価値も高い。このような理由から、アフリカの安全保障のために効果的な手段により貢献することは、日本の国益にとっても重要である。特に近年、アフリカでは地域機構の役割の重要性が認識されており、資源が不足している地域機構・準地域機構に対する金銭的支援や能力構築支援は日本が貢献できる重要な分野である。

さらに、アフリカの地域機構に日本の人材を送ることも重要である。EUなどはAUや東アフリカのIGAD(政府間開発機構)などの地域機構・準地域機構に専門家やコンサルタントとして人材を送っているが、日本人は圧倒的に少ない。日本の人材を置くことで資金援助も効果的に行うことができ、人的ネットワークの構築や情報収集の面でも得るものも多い。文化遺産の保護やアーカイブの整備といった文化分野においても、日本は様々な貢献ができるだろう。