ポスト・コロナ時代の国際秩序再構築に積極的に貢献する

コロナ・パンデミックがもたらした変革を国際経済体制の再構築にどのようにつなげていくかが、極めて重要な世界的課題になっている。

具体的には、貿易・投資に関しては二国間、複数国間での交渉で徐々に積み上げていくことにならざるを得ない。実態としてもWTOが機能不全に陥って久しく、グローバルな交渉は行き詰まって十数年になる。国連が機能不全に陥り、むき出しの国益のぶつかり合いを調整する共通基盤がない状況は、19世紀の再来の様相を帯びている。国際金融機関もかつてのワシントン・コンセンサスに代わる共通の政策パッケージを練る必要が明確になっている。中国は、権威主義的市場経済モデルを表す北京コンセンサスをその代替として掲げている。

日本は、国際機関内でのプレゼンスを高める努力を加速するとともに、自由と民主主義・法の支配を是とする国々と連携し、ワシントン・コンセンサスの代替案を練り上げるプロセスに積極的に参画すべきである。