韓国を「北東アジアの平和と安定」のための戦略的パートナーと位置付ける

北東アジアで有事が起こった場合、国際的インパクトは壊滅的である。北朝鮮との戦争の危険性や台湾海峡をめぐる紛争の可能性だけでなく、以下の通り地政学上の不安定さも指摘できる。①核能力を保有する国が4か国ある、②世界の経済大国のトップ3か国、および上位12位までにランクされる経済強国が5か国ある、③世界で最大または最強の軍隊を保有する国が6か国ある、④世界で最高のハイテク国家が6か国ある。

北東アジアで戦争が発生した場合、地理的に東シナ海と隣接海域に限定されたとしても、世界経済は弱体化し、金融システムは混乱、サプライチェーンは崩壊せざるをえない。こうした東アジアの高リスクを直視すれば、日米韓が戦略的協力関係を深めていくのは当然の選択である。

北朝鮮問題でも、米国は軍事オプションを現実的な選択肢として考えることができる。しかし、たとえ局所的な軍事作戦だとしても、それを引き金に北朝鮮が暴発した場合、日韓は甚大な被害をこうむる可能性が高い。最終的に、対話による外交的解決を目指すしか選択肢がないという点で、日韓は一致している。北東アジア戦略の中で、韓国は戦略的利益を共有する最も重要なパートナーであり、それを日韓関係の前提とすべきである。