「自由で開かれたインド太平洋」のパートナーとして台湾との戦略的関係を強化する

1972年の日台断交以後、日本と台湾の公的な交流は閉ざされ、政治・安全保障に関する対話や協議の場は非常に限られている。しかし、台湾への支援は日本生存のための施策にほかならない。今後は台湾との接触交流を深め、当面はセカンドトラックの枠組みの下で、シンクタンクやアカデミズム、メディア関係者などの対話と協議の機会を積極的に増やすべきである。将来的には、日台の政治家・軍事関係者相互の交流や政策協議の場を設け、「日台交流基本法」などの法的整備も検討する。

同時に、日本が東南アジア諸国等を対象に実施している能力構築支援活動(地震津波等の防災対策や災害救援、人道支援、海賊対処、潜水医学、衛生、航空気象、海洋安保能力の向上支援など)を台湾にも適用実施するとともに、開発協力大綱に基づき、巡視船や海洋監視のための航空機、人命救助システムなどの提供も検討する。

また、台湾との連携は両者間の関係に留まるものではなく、「自由で開かれたインド太平洋」の一翼を担い得る重要なパートナーである。海洋諸国で構成される多国間の戦略・安全保障協議の枠組みを構築するとともに、その一員として参加の途を開き、戦略的連携を深めるべきである。