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【海外子育てコラム_韓国 vol.3】地方ならではの子育て・教育事情

EN-ICHI編集部

2026年1月19日

韓国南西部・海南で5人の子を育てるさとこさん。地方都市での子育てには、都市部とは異なる現実があります。今回は、地方ならではの教育環境と、その中で異文化を交えながら子どもたちを育てる日々についてお話を伺いました。

―韓国の地方における保育園・幼稚園の制度と選び方について教えてください。

保育園と幼稚園があり、選択できます。我が家は長男は2歳から、それ以外の子供たちは生後8ヶ月頃から保育園に入園しました。

幼稚園の入園は満4歳からです。海南のような田舎では私立の施設がほとんどなく、公立の小学校付属幼稚園に通うことが多いです。プログラムは小学校とは別ですが、小学校全体での遠足に一緒に参加することもあります。

街中であれば、ネイティブの先生による英語の時間や体育の時間があるような私立保育園があったりと、いろいろな選択肢があります。多文化センターから日本人、ベトナム人、中国人などが自国の文化(折り紙や遊び、衣装体験など)を教える「国際理解教育」が提供されていたりもします。

地方ではそういった施設はないですしそもそも施設自体が少ないためほぼ選択肢はないです。プログラム内容など見て、いいなと思うところがあっても、遠すぎて園バスが来ないなど、制限があります。

―保育園や幼稚園にかかる費用はどれくらいですか?

韓国では国から「養育費」が支給されています。子供が保育園や幼稚園に通うようになると、その養育費を自動的に施設側が受け取ります。なので、保育料や教育費は払っていないです。

幼稚園で使う水筒やその他の必需品は入学祝いとしてもらえるため、基本的に親が負担するものはありません。園で使う歯ブラシや歯磨き粉も農協からの支援で出ることがあり、田舎では幼稚園はほぼ0円で利用できます。

一方、保育園は準備するものが多いです。例えば、お昼寝用の布団、食器、おむつ、お尻拭き、みんなで使うタオル、トイレットペーパー(10個ずつ持参など)など、色々かかります。

海岸で遊ぶ子供(さとこさん提供)

―地方の学校における教育内容や、放課後プログラムについて教えてください。

小学校では、午後の授業がない1年生を対象に「パンガフスオプ(放課後の授業)」があります。海南では、これが無料で提供されており、3Dペンアートやニュースポーツなどの授業を週に2回受けることができます。さらに、電子機器を用いた教材学習も無料で受けられます。土曜日には、選択制でサッカー、卓球、乗馬、陶芸などをすることができます。こちらもすべて無料です。長男は陶芸をやっています。

―幼稚園や学校に対する親の関わりはどれくらいありますか?

親が関わる機会は結構あります。幼稚園では、数ヶ月に一度、親参加型の授業があり、先日もタブレットの使い方やプログラミングを学ぶ時間がありました。

また、「ハップモフェ(父母会)」というPTAのような組織があります。ここでは、学校運営やプログラムに関する意見を出したり、思春期の子どもへの接し方について教育者から話を聞く啓発講座に参加したりします。料理人が来てハンバーグ作りをしたりなど、親同士の交流を深めるサークル的な集まりもあります。参加は任意ですが、意外と多くの親が参加しています。

運動会は、必ず親が参加するようになっています。子どもたちの競技の後に親の競技も設けられ、地域の一体感を高める役割を果たしています。

―ご家庭ではお子様に日本語教育をどのようにされていますか?

できるだけ日本語で話しかけるようにしていますが、子どもたちが覚えてきた言葉は基本的に韓国語なので、韓国語が優勢です。聞き取りはできますが、次男などはもうよくわからないようです。

日本の祖父母と会話するためにも日本語を使い続けるよう努力しており、日本語を嫌いにさせないことが大事だと考えています。たまに日本の漫画(ナルトなど)を見せたりして、日本語に触れる機会を作っています。実際に日本語が伸びるのは日本に帰った時など、実際に使う環境があるときだと感じています。

散歩をする子供たち(さとこさん提供)

【海外子育てコラム_韓国】
vol.1 5回にわたる韓国での出産
vol.2 しっかり休める韓国での産後
vol.3 地方ならではの子育て・教育事情

家庭 ダイアローグ・コラム