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【海外子育てコラム_スイス vol.5】しっかり決める「家庭のルール」
スイスで4人の子供を育てるあいさん(仮名)。多文化的な社会に生きるからこそ、「家庭のルール」をしっかり決めているそうです。
子供を「見守る」姿勢を大切に
―スイスでの子育てで、子供に対する親の姿勢にも日本と違いを感じたそうですね?
基本的に「見守る」姿勢が強いと思います。たとえば日本では、公園で子供が他の子の砂場の道具を触っただけで「ダメでしょ!」って叱られたりしますよね。でもスイスでは、そういう場面はあまり見かけません。そういう場面でも、親は見守っているだけのことが多いですね。
全体的に親が頑張りすぎないというか、子供が“自分で考える時間”を確保することが優先されていて、親が先回りして準備したり手を出しすぎたりしないような文化だと思います。
子供が自分で気づき、学んでいくことが大切にされている。だからこそ、子供たちものびのびと、自分のペースで、自分の道を探していけるのかもしれません。

※上記写真はイメージです
「我が家のルール」が重要
―なるほど、「見守る」ことを大切にする文化なんですね。他に、あいさんご自身がが子育てをするうえで大切にしていることはありますか?
見守る姿勢と共に、自分の家庭独自のルールをきちんと決めておくことを重要視しています。例えば、ピアスは出身国の習慣によっては0歳からしている子供もいたり、小学校で髪を染めている子供もいるんですね。学校では、日本のように校則は無いので、服装も髪型も自由だし。だからこそ、「我が家のルール」を決めて、子供たちとも共有するようにしています。
実際、子供の家族の国民性によっても、または個人の感覚によっても、家庭によってルールがかなり違うんです。子供の友達に、我が家のルールは押し付けないように心がけるとともに、うちの子供たちには「友達がやっているから」と流されるのではなく、「自分はどうするのか、どうしたいのか逐一考えて行動しよう」と伝えています。

※上記写真はイメージです
「普通」がないからルールが必要
―あいさんたち家族のルールにはどういうものがあるんですか?
例えば門限時間。スイスは1年の半分が冬でどんより曇りが続くため、短い夏には太陽の光を満喫しようと、大人も子供も皆遅くまで外にいるんですよね。我が家は外遊びは最大18時半までにしていますが、東欧の国々から来た子供たちは21~22時くらいまで外で遊んでいたりします。
これは気候の違いからくる習慣の違いで、彼らは暑い昼間は家で昼寝(シエスタ)し、夕方以降に外に出てくるんです。なので、19時くらいにインターホンが鳴り、「これから遊ぼう!」とお誘いを受けることもあるんですが、もう寝る時間だからと断るケースが多いです。スイスは21時になっても昼間みたいに明るいので、外遊びできちゃうんですよね。
周りの家庭を見ていると、日本人としては結構驚くことも多くて。例えば、宗教上の理由で「1日3食」食べない家庭もあったり。スイスの夕食はパンとチーズとハムだけの軽食が主流なので、夕食は公園でサンドイッチを食べて済ますだけとか。さらに、夜まで遊んで帰宅した後そのまま寝て、シャワーは朝とか・・・。「普通」がないんですよね。
なので、子供の年齢によっても色々変化させながら、「我が家のルールはこれ!」というのを、子供たちと話し合い、一緒に決めるようにしています。

スイスの食事(あいさん提供)
【海外子育てコラム_スイス】
vol.1 国際色豊かな社会―「違い」を受け入れ、共に生きる
vol.2 妊娠・出産体験談―合理的で温かなケアが支える“家庭での産後”
vol.3 「自立心」「自己主張」「創造性」を育む教育
vol.4 「多文化」と「自然」を生きる日々
vol.5 しっかり決める「家庭のルール」
vol.6 暮らしの中で「働くこと」を見つめ直す
