EN-ICHI家庭と地域の未来を拓く
【情報ファイル】学校における生成AI活用指針を公表
文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(ver2.0)」より
2024(令和6)年12月、文部科学省は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(ver2.0)」(以下、ガイドライン)を公表しました。
ガイドラインでは、生成AIは有用な出力が可能で、使いようによっては人間の能力を補助、拡張し、可能性を広げてくれる道具になりうると評価しています。また、今後普段使いされることも想定して、学校教育段階で児童生徒が生成AIについての理解を深め、適切な使用方法を身に付ける必要を唱えています。
一方、生成AIにはその性質上、学習した情報に由来する誤った出力(ハルシネーション)や偏見・差別等のバイアスの再生成というリスクがあることが知られています。ガイドラインは教師に対して、生成AIのこうしたリスクを踏まえて業務に利活用するとともに、生成AIの出力をあくまで参考とし、最後は自分で判断できるよう児童生徒に指導することを求めています。
2023(令和5)年度からは生成AIパイロット校が指定されており、年度終了時に実施されたアンケートと分析結果が公表されています。令和5年度の結果からは、児童生徒は生成AIから意図した出力を得ようと試行錯誤することを通して学習意欲・創造性を高めている可能性があることがわかりました。一方、生成AIの回答を鵜呑みにしてしまったり、活用する場面を自身で適切に選択できないケースが存在することもうかがわれました。それを踏まえ、教師による適切なガイダンスと環境整備の必要性が提起されています。(「初等中等教育段階における生成AIに関するこれまでの取組み」)

出所:文部科学省「初等中等教育段階における生成AIに関するこれまでの取り組み」p.10より(筆者一部改変)
ガイドラインでは、生成AIを学校で利活用する際のポイントとして、①安全性を考慮した適正利用、②情報セキュリティの確保、③個人情報やプライバシー、著作権の保護、④公平性の担保、の5つを挙げています。そして、教師自身が生成AIの利活用を通じて利便性や懸念点を把握し、これらのポイントを押さえた利活用につなげることを推奨しています。それとともに、教育委員会には「教育情報セキュリティポリシー」の作成や研修の企画を通じて教師の実践をサポートすることを求めています。

出所:筆者作成
(『EN-ICHI FORUM』2025年2月号記事に加筆修正して掲載)
