家庭と地域の未来を拓く

【情報ファイル】不登校の児童生徒 34万6千人余に

EN-ICHI編集部

2025年6月10日

2023年度、全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は34万6482人で、11年連続の増加となりました。前年度からは4万7千人余り(15.9%)増加し、在籍する児童生徒全体に占める割合は3.7%(前年度3.2%)でした。小中学校の内徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』で明らかになりました。

出所:文部科学省の『令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』を元に筆者作成

不登校児童生徒の状態として把握された事実は、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が32.2%で最も多く、以下、「不安・抑うつの相談があった」(23.0%)、「生活リズムの不調に関する相談があった」(23.0%)、「学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた」(15.2%)、「いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった」(13.3%)の順に多かったです。

また、学校内外の機関等で専門的な相談や指導を受けたかについては、「学校内で受けた」が43.8%、「学校外の機関等で受けた」が33.9%で、「受けていない」も38.8%でした。「受けていない」という児童生徒のうち89.1%は「教職員から継続的な相談・指導を受けていた」といいます。

文科省は、2023年3月に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を打ち出しました。この中で、全ての児童生徒の学びの場の確保が重視され、支援策の一つとして示されているのが「学びの多様化学校」(不登校特例校)です。不登校の児童生徒の実態に配慮して特別の教育課程を編成することができます。現在、全国で35校(公立21校、私立14校)が設置されています。

また現在の支援では、学校外の機関での学習を成績に反映させることが重視されています。2024年8月には学校教育法施行規則の一部が改正されました。児童生徒が教育支援センター等の公的機関やフリースクール等の民間施設をはじめ学校外の機関での学習やICT等を活用した自宅学習を、指導要録・通知表で成績評価に反映されるようにしました。学校の判断で、不登校児童生徒の学習の成果を考慮することができるとしています(『不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)』令和6年8月29日)。

(『EN-ICHI FORUM』2024年11月号記事に加筆修正して掲載)

教育・人材 政策情報・リサーチ