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【情報ファイル】増え続ける大学在学者数、大学数
文部科学省2022年度「学校基本調査」より
日本の18歳人口は1991年の207万人をピークに減少に転じ、昨年は112.1万人となり、30年間でほぼ半減しました。18歳人口が減り続けているにもかかわらず、大学在学者数、大学数は増え続けています。

出所:文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術指導2022」調査資料‐318を元に筆者作成
文科省の学校基本調査によると、2022年度は大学院を含む大学全体の在学者数は過去最多の293.1万人となりました。内訳は国立60万人、公立16万人、私立217万人です。
背景には女子の大学進学率の上昇があります。大学進学率は1990年頃までは25%程度で推移していましたが、18歳人口が減少し始めた頃より上昇し始め、大学入学者数も増加し続けています。昨年の大学進学率は56.6%で、約30年で倍化しました。
ただ、男女を合わせた大学院修士課程入学者は2010年をピークに減少傾向にあり、近年は7万人前後で推移しています。大学院博士課程入学者も2003年をピークに減少傾向にあり、1.5万人台で推移しています。
大学数については進学率の上昇に比例し、私立を中心に大学設置が進み、2022年度は国公私立あわせて807校と過去最多となりました。内訳は国立86校、公立101校、私立620校で、1990年以降、公立が40年で約3倍になっています。私立は1980年代後半~2000年代前半に数を増やし、40年で倍増しました。ただ、2000年以降は私立を中心に定員割れする大学が目立ち始めています。
2023年3月には私立の名門・恵泉女学園大学(東京都多摩市)が新規募集の停止を決めるなど、2000年以降に16の大学が募集停止・廃学となりました(2023年5月時点)。(その後も、2025年に京都ノートルダム女子大学が次年度からの新規募集の停止を決め、学習院女子大学は2026年度から学習院大学に統合されるなど、大学の廃校・統合が進んでいます。)
日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、2022年度の私立大学の定員割れは過去最高の47.5%となりました。2023年以降は、入学定員数が志願者数を上回る「大学全入時代」に突入します。
日本では10代で大学に入学する学生が大半を占め、社会人学生の割合がきわめて低いです。政府は生産性向上を図るため、大学など高等教育機関のリカレント教育を推進していく方向です。 2023年4月初め、文科省は私立大学新設の審査を厳格化し、大学全体の規模を抑制する方針を示しました。2040年に18歳人口が約79万人に減る見込みで、今後大学は社会人学生確保に力を入れていくことになりそうです。
(『EN-ICHI FORUM』2023年5月号記事に加筆修正して掲載)
