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【情報ファイル】「こども家庭センター」が始動

EN-ICHI編集部

2025年2月28日

2024年6月、従来の「子育て世代包括支援センター」と「子ども家庭総合支援拠点」の機能を統合した組織として、「こども家庭センター」が設置されました。母子保健と児童福祉の両機能が一体化した相談業務を行うことが目的とされ、全ての妊産婦、子育て世帯、こどもを切れ目なく、漏れなく支援することが目指されています。

出所:筆者作成

こども家庭庁が作成した「こども家庭センターについて」によれば、2024年5月現在、こども家庭センターは876の市区町村に、1015箇所設置されています。

そして、各こども家庭センターには「統括支援員」が1名おかれることになっています。統括支援員は、「母子保健機能および児童福祉機能の両方について十分な知識を有し、全体を俯瞰して判断できる」職員とされ、3つの資格区分があります。

第1の区分は、保健師、社会福祉士、こども家庭ソーシャルワーカー等、母子保健・児童福祉に係る資格を有し、一定の実務経験を有する者です。この区分は、現在配置されている統括支援員の77.4%を占め、そのうち約8割は保健師です。

第2の区分は、母子保健機能、児童福祉機能における業務の双方(又はいずれか)において相談支援業務の経験があり、双方の役割に理解のある者、第3の区分は、その他、市町村において上記の区分と同等と認めた者となっています。

出所:筆者作成

次に、業務の特徴を見てみましょう。こども家庭センターの業務には、二つの特徴があります。一つ目は「サポートプラン」の作成です。サポートプランは具体的な支援計画であり、こどもや妊産婦等の意向を確認しつつ、家庭支援事業や母子保健サービス、その他のサービスや地域資源を組み合わせて支援内容を組み立てることになっています。介護保険のケアプランに相当すると考えられます。

具体的な支援メニューには、2022年の児童福祉法の改正により新たな事業が加えられました。訪問による家事等の支援を行う「子育て世帯訪問支援事業」や、こどもへの居場所の提供や生活習慣の形成を支援する「児童育成支援拠点事業」、保護者やそのこどもを対象に親子関係の構築支援を行う「親子関係形成支援事業」が新設されています。これまでの子育て家庭支援より踏み込んだ施策といえるでしょう。

二つ目は、関係機関との協働や地域資源のマネジメントです。サポートプランの実施に際し、支援対象者を関係機関に連結したり、機関同士の協働をコーディネートします。また、地域に不足している支援のための資源を開拓することもあります。これらは、地域子育て支援の仕組みを踏襲しているといえます。

こども家庭センターは母子保健機能と児童福祉機能を統合的に提供するとともに、介護など個別ケース支援と地域子育て支援のマネジメントのノウハウを吸収して構築されています。今後は、制度の建付けに合わせて、親子や子育て家庭に関わる総合的支援の専門性を有する人材育成がカギとなるでしょう。

(『EN-ICHI FORUM』2025年2月号記事に加筆修正して掲載)

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