EN-ICHI家庭と地域の未来を拓く
【情報ファイル】家庭教育支援、7割は「関心あっても利用したことない」
文部科学省「家庭教育支援」に関する保護者アンケートより
文部科学省は、令和6年度版の「家庭教育支援推進のための調査研究(家庭教育についての保護者へのアンケート調査)」の報告書を2024年9月に公表しました。
国や地方自治体の家庭教育支援について、2023年度に続いて調査が行われました。2023年度調査では、子育ての悩みを抱えている家庭であっても行政の家庭教育支援があまり利用されていないことが明らかになりました。
2024年度調査は7月下旬に実施され、子育て中や子育て経験者など約1900人が回答しています(スクリーニングを行っているため、回答者数が異なる質問もあります)。
行政による「家庭教育支援」について、知っている取り組みは「保護者向け相談窓口の設置」が28.0%、「保護者向けの子育てに役立つ資料や情報の紹介(インターネット上)」が21.4%でした。一方で、「あてはまるものはない」が54.6%と、取り組み自体を知らない人が半数を超えていました。
しかし、現在子育て中か第一子を妊娠中の人たちでは65.8%が「家庭教育支援に関心がある」と答えています。特に妊娠中か0歳〜就学前の子を持つ父母の関心が高いです。
ただ、実際に利用したことがある支援は、最も多い「保護者向けの子育てに役立つ資料や情報の閲覧、活用(インターネット上)」でも12.7%に止まり、「家庭教育支援チームの利用」(6.6%)、「保護者向け相談窓口の利用」(6.2%)など自ら出向く形の利用は少ないです。一方、「利用したことはない」が74.4%に上っており、子育て支援施策の周知と利用しやすい環境づくりという課題が浮き彫りになりました。
実際に利用したことがある人の満足度は概ね高いです。「家庭教育に関するコミュニティへの参加(家庭教育学級等)」が85.4%(「満足」「やや満足」の合計)、「家庭教育に関する講演、研修会への参加」が72.9%(同)、「保護者向け相談窓口の利用」が71.8%(同)でした。保護者同士、子供同士のつながりが満足度につながりやすい傾向が見られました。

出所:文部科学省「令和6年度 家庭教育支援推進のための調査研究」を元に筆者作成
その上で、子育ての不安や悩みを解決するために必要だと考える支援については、気軽に相談できる窓口と共に、35〜44歳の子育て世代では「同じ境遇や悩みを持つ家庭とつながれる場やコミュニティに参加できる」などの回答が多いです。「若い子育て世代にはコミュニティ形成の支援が求められている」と報告書は分析しています。
(『EN-ICHI FORUM』2025年2月号記事に加筆修正して掲載)
