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【情報ファイル】「こどもまんなか実行計画2024」
こども家庭庁「こどもまんなか実行計画2024」を決定
政府は2024年5月31日、「こどもまんなか実行計画2024」を決定しました。こども大綱(2023年12月に閣議決定)の基本方針に基づいて、今後取り組む施策を以下のようにまとめています。

出所:筆者作成
①「こども・若者が権利の主体であることの社会全体での共有等」
全てのこどもの生命・生存・発達の保障やこどもの最善の利益の考慮、こどもが自由に意見を言えることと大人がその意見を十分に考慮するといった基本原則を社会全体で共有するため、こども基本法やこどもの権利条約(児童の権利条約)の普及啓発を図る取り組みを行うとしました。具体的にはパンフレット、動画の作成や出張講座などを実施します。
また、学校における人権教育の推進、権利が侵害された場合の救済機関の取り組みと事例の周知を行うとしています。
②「多様な遊びや体験、活躍できる機会づくり」
こども・若者の体験活動の推進をうたっています。
2023年12月に閣議決定された「はじめの100か月の育ちビジョン」(妊娠期からおおよそ小学1年生になるまでの期間が重要)を踏まえた乳幼児期の豊かな遊びと体験の保障や、健全な心身の発達を図るための質の高い幼児教育・保育を推進します。また、児童館などで活用する遊びのプログラム開発と普及、農産漁村での体験、宿泊体験の推進を関係省庁の連携で実施します。
さらに、文化芸術を体験する機会の提供や芸術教育の充実、読書活動などを推進します。「早寝早起き朝ごはん」国民運動や「健やか親子21」の普及啓発といった生活習慣の定着も進めます。
また、「こどもまんなかまちづくり」を掲げ、地域におけるこどもの居場所や保護者交流の場、公園の環境整備などを推進します。
「こども・若者が活躍できる機会づくり」では、主に教育に関する取り組みをあげています。自国文化と異文化理解、国際理解教育や外国語教育の強化、留学生支援の推進をあげています。さらに、理数系教育や起業家教育、外国人のこども・若者への教育の充実もあげています。
一方、男女平等を推進する教育の充実の他、性的マイノリティのこども・若者への対応、教員への啓発も行うとしています。
③「こどもや若者への切れ目のない保健・医療の提供」
性や健康に関する正しい知識の普及を図り、思春期、妊娠、出産等のライフステージに応じた相談体制、性に関する教育の専門家に対する研修等を継続的に実施するとしています。
④「こどもの貧困対策」
ひとり親家庭や低所得子育て世帯のこどもの学習支援、義務教育段階の就学援助、高校生への修学支援などを行います。また、保護者の就労支援、地域における支援体制の整備なども掲げています。
⑤「障害児支援・医療的ケア児等への支援」
地域の支援体制の強化や家族支援の充実、さらに障害のあるこどもや若者の学びの充実のためにインクルーシブ教育システムの実現に取り組むとしています。
⑥「児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援」
母子保健と児童福祉の一体的な相談支援を担うこども家庭センターの整備を促進しながら、児童虐待を未然に防止するための家庭支援事業を推進します。
また、一時保護施設の運営基準を策定して環境を改善することや、虐待などで孤立したこども・若者の居場所となるシェルターを整備します。さらに親子関係の再構築支援を行っている都道府県を支援します。それとともに、こども家庭ソーシャルワーカーをはじめ、こども家庭福祉分野に携わる人材の確保と育成を支援します。ヤングケアラーに関しても、実態を把握し、支援体制を整備するとしています。
⑦「こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守る取組」
関係省庁との連携による対策プランに基づき、こどもの自殺に関する情報を集約・分析することや、SOSの出し方に関する教育を含めた自殺予防教育を行います。1人1台端末を活用した心身の状況把握や相談も実施します。
また、こどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備、こどもの性被害防止対策やネット上の人権侵害に関する人権啓発活動を推進します。さらに、こどもたちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための「生命(いのち)の安全教育」を推進するとしています。
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これらの実行計画は、こども家庭審議会で施策の実施状況や指標等を検証・評価しながら、毎年6月頃に改定されます。また、計画の実施状況や効果等を踏まえ、こども大綱も5年後をめどに見直されます。
(『EN-ICHI FORUM』2024年8月号記事に加筆修正して掲載)
