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【情報ファイル】日本に暮らす外国人人口の現状(2025年6月末)

EN-ICHI編集部

2025年11月18日

在留外国人数について

2025年10月10日に、出入国管理庁のプレスリリース「令和7年6月末現在における在留外国人数について」が公表されました。

【図1】在留外国人数の推移

出所:e-Stat「在留外国人統計(旧登録外国人統計)」より筆者作成

(注1)2025年6月末以外は年末の数値です。
(注2)在留外国人とは中長期在留者および特別永住者を指します。(観光等の「短期滞在」は含みません。)

プレスリリースによれば、2025年6月末の在留外国人数は、395万6,619人(前年末比187,642人、5.0%増)で、過去最高を更新しました(図1)。過去の推移をみると、2008年のリーマンショックから2011年の東日本大震災の頃と、2020年頃からのCOVID-19の時期に一時的な減少があるものの、日本の在留外国人数は継続的に増加傾向にあります。

特に2021年以降、コロナ禍後の伸び率は高くなっています。2019年に開始された特定技能制度により外国人労働力の受入れが加速し、近年の在留外国人の増加を牽引していると考えられます。2012年末の2,033,456人からおよそ13年間で総数はほぼ倍増している状況です。

【図2】国籍・地域別 在留外国人の構成比(2025年6月末)

出所:出入国在留管理庁(2025a)の「【令和7年6月末】公表資料」より筆者作成

在留外国人を国籍・地域別に見ると、アジア地域がその大部分を占めています。なかでも中国が最も多く 900,738人(全体の22.8%)、次いでベトナムが 660,483人(16.7%)、韓国が 409,584人(10.4%) と続き、これら上位3か国で全体のほぼ半数を占めています(図2)。また、第5位のネパールは 273,229人(6.9%) ですが、前年末からの増加数は最も多く 40,186人 に達し、増加率17.2% と高い伸びを示しています。第6位のインドネシアも 前年比30,865人増(15.4%増) と、第2位の増加数となっています。

【図3】在留資格別の構成比(2025年6月末)

出所:出入国在留管理庁(2025a)の「【令和7年6月末】公表資料」より筆者作成

(注1)「特定活動」とは、“ワーキングホリデー”や“技能実習後の就職活動”、“大学卒業者の就職活動”、“難民申請中”などを含む50種類以上の多様な活動を法務大臣告示によって個別に定めた在留資格です。
(注2)「その他」には“高度専門職”、”教授”、”芸術”、”宗教”、”報道”、”経営・管理”、”医療”、”研究”、”教育”、”技能”、”企業内転勤”などの在留資格が含まれます。
(注3)「特別永住者」とは第二次世界大戦前から日本に居住していた朝鮮半島・台湾出身者およびその子孫たいして、戦後の法的地位を保証するために設けられた在留資格です。

在留資格別に見ると、最も構成比が大きいのは「永住者」で、932,090人(全体の23.6%)となっています(図3)。なかでも注目すべきは「特定技能」の急増です。特定技能による在留外国人は336,196人(構成比8.5%)に達し、前年末比51,730人増(18.2%増)と大きく伸びています。技能実習から特定技能への移行や、新規受け入れが急速に進んでいると考えられます。

その他の主な在留資格として、大学や専門学校で学んだことを活かした職に就くことのできる「技術・人文知識・国際業務」が458,109人(構成比11.6%)で、前年末比9.4%増となっています。「技能実習」は449,432人(11.4%)で1.6%減、一方で「留学」は435,203人(11.0%)と8.2%増となっており、コロナ禍後の留学生の再流入傾向が確認できます。

【表1】在留外国人の多い都道府県(2025年6月末)

出所:出入国在留管理庁(2025a)の「【令和7年6月末】公表資料」より筆者作成

在留外国人の総数のうち、50%以上が表1に示す5都府県に集中しています。前年末からの増加率を見ると、最も高かったのは大阪府(8.0%)であり、次いで千葉県(6.9%)、大分県(6.8%)となっています。また、地域によって在留外国人の在留資格の構成には特徴が見られます。東京をはじめとする首都圏や大阪などの大都市圏では専門職が多く、地方は技能実習や特定技能が多い傾向があります。

少子高齢化が進む日本において、在留外国人は各地でさまざまな産業を支える労働力として、また地域社会の担い手として必要不可欠な存在になりつつあります。一方で、言語・文化・慣習・制度の違いによる摩擦や課題も顕在化しています。2025年7月には内閣官房に「外国人との秩序ある共生社会推進室」が設置されました。今後は、「受入れ・支援の充実」と「規範・秩序の確保」という二つの柱を両立させながら、共生社会を実現していくことが大きな課題となっています。


不法残留者について

【図4】不法残留者の推移

出所:出入国在留管理庁(2025b)の「【令和7年7月1日】公表資料」の【第1図】

合法的な在留外国人に加えて、在留資格が失効した後も日本に滞在(いわゆるオーバーステイ)を続ける不法残留者への対応も大きな課題となっています。同日に公表されたプレスリリース「本邦における不法在留者数について(令和7年7月1日現在)」によれば、不法残留者数は71,229人で同年1月1日現在に比べ3,634人(4.9%)減少しました(図4)。

【図5】在留資格別不法残留者の多い国と在留資格の内訳(2025年7月1日現在)

出所:出入国在留管理庁(2025b)の「【令和7年7月1日】公表資料」より筆者作成

不法残留者を国籍・地域別に見ると、ベトナム(18.3%)、タイ(15.3%)、韓国(14.4%)の上位3カ国で約50%を占めています(図5)。また、不法残留となった時点での在留資格別構成を見ると、「短期滞在」が60.7%と過半数を超えており、観光や商用、親族・知人訪問などの目的で入国した人が多いことがわかります。これに続き、「技能実習」が14.7%、「特定活動」が10.0%で、これら上位3在留資格で全体の約85%を占めています。

「短期滞在」からの不法残留が多いタイや韓国は、短期間の訪日であればビザ免除の対象となっています。また、インドネシア、台湾、トルコも一定の条件を満たす場合にはビザが免除されます。ビザ免除制度は、訪日外国人にとって利便性を高め、観光や短期商用を促進する効果がある一方で、その仕組みが悪用され、不法残留者の増加につながる可能性も指摘されています。

在留資格を失ったまま不法残留した場合、就労が認められないため、非正規または違法就労に陥るリスクが高まります。こうした働き方は労働条件の悪化を招くだけでなく、労働市場の健全な仕組みを損なう要因にもなります。さらに、医療・福祉・教育・住居などの公共サービスへのアクセスが制限されることで、生活基盤が極めて脆弱になり、結果として社会全体の安全・安心にも影響を及ぼす恐れがあります。

こうした状況を踏まえ、政府は2025年5月23日に「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を発表し、円滑かつ厳格な出入国在留管理制度の実現を目指しています。一方で、不法残留者の人権保護や人道的配慮をどう確保するかも、今後の重要な課題となっています。

参考資料

社会政策 政策情報・リサーチ